1回目打ち上げ(使用エンジン:I140W-14A)
 1回目打ち上げは9/15午前。エンジンは、シングルユースのI140W-14A(直径38mm)を使いました。トータルインパルスは336N・secです。延時時間は14秒ですが、以下の写真に示すドリルで延時薬を削ると延時時間を縮小することができます。今回の打ち上げでは延時時間を2秒短縮し、12秒としました。今回ロケットには電子機器は搭載しませんでした。そのため、正確な到達高度はわかりません。Rocksimというソフトで予想高度を計算できますが、I140W-14Aはリストになかったので、特性が近いエンジンから到達高度を予想すると1500mくらいと思われます。


 延時薬を削るのに使ったドリル

打ち上げは成功しましたが、ロケットは途中で見失ってしまい、、パラシュートの展開まで確認できませんでした。風の向きから落ちた位置を推測して探したところ、パラシュートは無事展開しロケットを回収することができました。



2回目打ち上げ(使用エンジン:J425R-14A)
今回はTolipoliでLevel2の資格を取ることが目的だったので、1回目でI型エンジンの打ち上げが打ち上げが成功した後、J型で打ち上げを試みました。この打ち上げとロケットの回収に成功すればLevel2に昇格するすることが決まります。使用したJ425R-14AはI140W-14Aと同じ直径38mmのシングルユーズエンジンです。トータルインパルスは676N・secです。下の写真は使用済みのエンジンです。左側がエンジンの噴射口、右側がロケットの上側になります。このエンジンもRocksimのリストの中になかったので、これも特性が近いエンジンから推測して到達高度は2000mと見積もりました。



このエンジンでも打ち上げ回収に成功しました。やはりロケットは目で追えず落下位置は風向きから推測しましたが。回収後のロケットを確認したところ、ピストンが一部欠けていました。おそらく放出薬の量が多すぎてピストンに加わる爆発力が大きかったのでしょう。ハイパワーロケットの場合、シングルユースでも放出薬の量は自分で調整できるので、ロケットの口径に合わせて放出薬の量を調整した方がいいと思います。いずれにしてもこの打ち上げでLevel2の昇格試験は成功。その後の筆記試験も合格して無事Level2に昇格することができました。



3回目打ち上げ(使用エンジン:I300T-14)
 3回目は2日目の午後にリローダブルエンジンで打ち上げました。先の2回がシングルユースだったので、今回はリローダブルに挑戦しました。リローダブルは東北ロケットリークラブの打ち上げ会で使ったことがあるだけであまり経験はありません。エンジンに付属していた組み立て説明書を見ながら1時間くらいかけてようやくエンジンの組み立てを完了しました。このエンジンはRocksimのリストの中にあるので、到達高度は1684mと推測されます。実際には打ち上げ角度が垂直でなかったり、ロケットの余分な空気抵抗の影響で高度は若干低くなると思うので、予想到達高度は1600m程度と推測されます。この打ち上げ、回収も無事成功し、これで今回のXPRSの打ち上げミッションは全て成功しました。
 今回の打ち上げは全て成功しましたが、来年はもう少し応用を加えたいと思います。今回はロケットに電子機器を何も搭載しませんでしたが、フライトレコーダー、GPS、ビーコンのいずれかを搭載して、ロケットの落下位置を検出したり、飛行経路を記録したりしたいと思います。

(文書作成:角地雅信)